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更新日:2024年9月1日
切らずに治す!
放射線治療は、手術・化学療法とともにがん治療の3本柱の一つです。当院での放射線治療の歴史は古く、永らく非常勤医師で行われておりましたが、平成26年に高精度放射線治療機のTomotherapy HDAⓇが導入され、平成27年4月から常勤医師2名となり強度変調放射線治療(IMRT)が可能となりました。以降、近隣病院からの紹介も増え、年間200例以上の新規症例を治療しております。
本邦では高齢化が進み、手術治療が受けられない方も増えています。一方、放射線治療の技術革新は日進月歩であり、現在では身体への負担が少なく、腫瘍に十分な線量を投与することができるようになっています。放射線治療は適応範囲が広く、がん種によっては手術とほぼ同等の治療成績が期待できます(放射線治療単独あるいは抗がん剤併用)。通院治療でお仕事と両立しながら治療を受けている方もみえます。(注:全ての患者さんが通院治療可能というわけではありません。)
本邦ではがん患者のうち放射線治療を実施している患者数は全体の約25%です。米国ではがん患者の3分の2に放射線治療が適応されていると報告されています。この日本の低い適用率は放射線治療に従事する医師、医学物理士、放射線治療専門技師、放射線治療品質管理士の不足が一因とされています。当院では放射線治療専門技師、放射線治療品質管理士、医学物理士が在籍しております。
また、令和元年には放射線療法を専門とするがん放射線療法看護認定看護師が1名加わりました。このがん放射線療法看護認定看護師とは全国に323名(2019年12月時点)、愛知県には20名しかいません。役割として放射線治療における専門知識をもとに、治療に伴う有害事象の症状を和らげる方法の指導・ケアを行います。また、すべての患者さんが安全に精神的な苦痛や不安なく治療が完遂できるよう医師や病棟看護師、他職種と連携を密に図りながら支援をしています。
当院では人員の充実もあり平成30年4月から、高精度放射線治療センターが新たに開設しております。センター化することで患者さん一人一人によりきめ細やかな対応ができるようになりました。患者さん、そして紹介してくださる診療科各科の先生方におかれましては、がん治療に悩まれた場合は、ぜひ一度当科に相談してください。今後とも安全で身体に優しい放射線治療をスタッフ一同心がけてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
若田 鋭樹 |
放射線治療専門技師・放射線治療品質管理士 |
内田 守彦 |
放射線治療専門技師・放射線治療品質管理士 |
石山 貴規 |
医学物理士 |
市原 久衣 |
がん放射線治療看護認定看護師 |