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更新日:2026年7月9日
腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨(腰椎)の間でクッションの役割を果たしている「椎間板」の組織が飛び出し、周囲の神経を圧迫することで、腰痛や足のしびれ・痛み(坐骨神経痛)を引き起こす疾患です。


現在広く行われている代表的な術式は以下の通りです。ヘルニアの突出方向や位置、患者さんの体格などによって最適な方法が選ばれます。
当院では、最新の脊椎手術ナビゲーションシステムを導入しています。この装置は、手術中に「器具の先端が、患者さんの解剖学的構造のどこに位置しているか」をリアルタイムで高精度に画面に表示するシステムであり、いわば「手術室のカーナビゲーションシステム」のような役割を果たし、より正確で安全な手術が可能になっています。
主に腰椎椎間板ヘルニアに対して行われる、低侵襲(体への負担が少ない)手術の代表的な術式です。手術用顕微鏡で視野を数十倍に拡大し、明るい光源を確保しながら行うため、肉眼では見えにくい微細な神経や血管を明瞭に識別でき、安全かつ確実性の高い手術が可能になります。
従来の肉眼や顕微鏡下での手術に比べ、傷口が非常に小さく、周囲の筋肉や骨を削る範囲を最小限に抑えられるため、術後の回復が早いのが大きな特徴です。
医療機関や術式によって前後しますが、標準的な治療スケジュールは以下の通りです。
1.入院・手術:当日。
全身麻酔(または局所麻酔)にて手術を行います。手術時間そのものは、単一椎間であれば45分〜1時間半程度です。
2.離床・歩行開始:手術翌日。
術後の経過に問題がなければ、翌日から歩行を開始します。この段階で、多くの患者さんが術前の激しい神経根痛からの解放を実感されます。
3.退院・自宅療養:術後3日〜1週間。
傷口の状態を確認し、日常生活の動作(入浴や階段昇降など)に支障がないことを確認して退院となります。
4.デスクワーク復帰:術後2週間〜4週間。
長時間の着座は椎間板への内圧を高めるため、適度に休憩を挟みながら段階的にデスクワークを再開します。
5.重労働・スポーツ復帰:術後2ヶ月〜3ヶ月。
骨や周囲の軟部組織が安定してくるこの時期から、主治医の許可のもとで段階的に負荷の高い運動や重労働への復帰が可能になります。
※ 手術は「痛みの原因となっている機械的圧迫を取り除く」ためのものであり、術後の腰椎の安定性を保つためには、体幹筋力の回復や姿勢の改善といったリハビリテーションが重要になります。
現代の脊椎手術は非常に洗練されていますが、以下のリスクや注意点をあらかじめ理解しておくことが大切です。
両足に激しい麻痺が出たり、尿が出にくい・便意が分からないといった膀胱直腸障害が現れた場合は、神経に深刻なダメージが及んでいる可能性があり、緊急の手術適応となることがあります。我慢せずに専門の医療機関へ受診してください。

令和8年1月に導入した、術中ナビゲーションシステムは、メドトロニック(Medtronic)社が開発した、最先端の術中ナビゲーションシステムです。(写真提供:日本メドトロニック株式会社)
手術中に「器具の先端が、患者さんの解剖学的構造のどこに位置しているか」をリアルタイムで高精度に画面に表示するシステムであり、いわば「手術室のカーナビゲーションシステム」のような役割を果たします。
主に脳神経外科、脊椎外科、耳鼻咽喉科領域などの、極めて繊細かつ正確性が求められる手術で導入されています。
主な特徴とシステムテクノロジーは以下の通りです。
手術器具の位置を検出するため、症例や術式に合わせて光学式(赤外線カメラと反射マーカー)と磁場式(EM:電磁場センサー)の両方のトラッキング技術を選択・併用できる高精度なハイブリッド追跡(トラッキング)方式を搭載しています。これにより、術野の遮蔽(死角)によるエラーを減らし、手術器具の位置をナビゲーションで確認しながら手術を進めますので、より安全な手術が可能になります。
術前に撮影したCT、MRIをはじめ、CTA(血管造影)、fMRI(機能的MRI)、PET、SPECTなどの異なるモダリティの画像データをシステム上で高精度に重ね合わせ(フュージョン)、3Dモデル化できます。この画像を使って手術を進めることにより正確な手術が可能になっています。
X線透視装置、手術用顕微鏡、超音波装置などの手術で使用する医療機器と連携が可能で、スムーズな手術が可能となり、手術時間を短縮することができます。また、これにより手術中の放射線使用時間も短縮し、放射線被ばくを低減することができます。