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更新日:2026年5月13日

脳腫瘍

脳腫瘍とは

頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。脳の細胞そのものから発生するもの(原発性)と、他の臓器のがんが脳に転移してきたもの(転移性)の2種類に大きく分けられます。

脳腫瘍には多くの種類がありますが、それぞれ性質が異なり、良性であっても脳という限られたスペースで大きくなるため、周囲の神経を圧迫して重篤な症状を引き起こすことがあります。

検査と症状

脳腫瘍の疑いがある場合は、MRIやCT検査による早期発見が非常に重要です。突然の頭痛、手足の麻痺、視力低下、性格の変化などの症状がある場合は、早めに脳神経外科を受診することをお勧めします。

主な脳腫瘍の種類

1.原発性脳腫瘍(脳自体から発生)

原発性脳腫瘍は、良性の脳腫瘍と悪性の腫瘍に分類されます。脳腫瘍には他のがんのようにTNM分類やステージ分類といったものはありません。悪性度(グレード)で1から4までに分類されています。良性腫瘍のほとんどはグレード1で、代表的なものとして髄膜腫(ずいまくしゅ)・下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)・神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)があります。これらの良性脳腫瘍のほとんどは手術ですべて摘出すれば再発はまれです。

グレードが2から4のものは悪性の脳腫瘍です。手足の動きや言語などの機能を温存して手術でできるだけ摘出し、放射線治療や化学療法を行います。悪性脳腫瘍の代表的なものは、グリオーマと呼ばれる神経膠腫(しんけいこうしゅ)や中枢神経系悪性リンパ腫です。

  • 神経膠腫(グリオーマ): 脳の神経細胞を支える「膠細胞」から発生します。多くが悪性で、周囲に染み込むように広がる(浸潤する)のが特徴です。

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  • 髄膜腫(ずいまくしゅ): 脳を包む膜から発生します。多くは良性で、ゆっくりと成長します。中高年の女性に比較的多く見られます。

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  • 下垂体腺腫: ホルモンを調節する「下垂体」にできる腫瘍です。多くは良性ですが、ホルモン異常や視力障害を引き起こすことがあります。専門医(技術認定医)による神経内視鏡治療を行っています。下垂体腺腫の治療は、外科治療だけでなく、下垂体ホルモンの検査や薬物治療が非常に重要となります。当院では、この分野に長けた内分泌内科があり、協力し治療に当たっています。

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  • 神経鞘腫(しんけいしょうしゅ): 聴神経などの末梢神経を包む細胞から発生します。

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2.転移性脳腫瘍

肺がん、乳がん、大腸がんなどが血流に乗って脳に転移したものです。近年、がん治療の進歩により生存期間が延びたことで、転移性脳腫瘍が見つかるケースが増えています。

脳腫瘍の主な治療法

治療の目的は「腫瘍の摘出」「成長の抑制」「症状の緩和」です。多くの場合、これらを組み合わせた集学的治療が行われます。

1.手術(外科的治療)

最も基本的な治療で、可能な限り腫瘍を摘出します。

  • 目的: 腫瘍を減らして脳への圧迫を取り除くこと、および組織を採取して診断を確定させること。
  • 機能温存技術: 正常な脳機能を温存するため、手術中に電気刺激で機能を調べる「覚醒下手術」や、ナビゲーションシステムが活用されています。

2.放射線療法 

手術で取り切れなかった腫瘍や、手術が困難な場所にある場合に用いられます。

  • 定位放射線照射: 「ガンマナイフ」や「サイバーナイフ」「トモセラピー」のように、多方向からピンポイントで放射線を当てる方法です。当院では、トモセラピーを使用して治療を行っています。

3.化学療法(薬物療法) 

抗がん剤を使用して腫瘍細胞の増殖を抑えます。脳には「血液脳関門」というバリアがあるため、これを通る特定の薬剤(テモゾロミドなど)が主に使用されます。

4.その他 

  • 電場療法: 特殊なデバイスを頭部に貼り付け、電場を作ることで細胞分裂を阻害する新しい治療法もあります。
  • 対症療法: 脳の腫れを抑えるステロイド薬や、けいれんを抑える抗てんかん薬などが処方されます。

 

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