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更新日:2026年7月9日
首の骨(頸椎)の間でクッションの役割を果たしている椎間板の繊維輪が肥厚することや椎間板の髄核が飛び出すことで、すぐ後ろを通っている神経(神経根や脊髄)を圧迫して、首や肩、手足にさまざまな症状を引き起こす病気です。30〜50代に比較的多く見られます。


主な原因
圧迫される神経の場所によって、症状の出方が大きく2つに分かれます。
主に左右どちらか片方の首から肩、腕、手にかけて激しい痛みやしびれが出ます。
より中心にある太い神経(脊髄)が圧迫されると、症状が重くなります。
頸椎椎間板ヘルニアの手術は、保存療法(薬物療法、ブロック注射、安静など)では麻痺や激しい痛みが改善しない場合や、脊髄が圧迫されて歩行障害や排尿障害などの「脊髄症」が現れた場合に検討されます。
手術のアプローチ方法は、大きく分けると「前方アプローチ(首の前から)」と「後方アプローチ(首の後ろから)」の2つに分類され、ヘルニアの位置や飛び出し方、圧迫されている神経(神経根か脊髄か)によって選択されます。
当院では、最新の脊椎手術ナビゲーションシステムを導入しています。この装置は、手術中に「器具の先端が、患者さんの解剖学的構造のどこに位置しているか」をリアルタイムで高精度に画面に表示するシステムであり、いわば「手術室のカーナビゲーションシステム」のような役割を果たし、より正確で安全な手術が可能になっています。
喉の皮膚のしわに沿って数センチ切開し、気管や食道をよけて椎間板に到達する方法です。ヘルニアが中央に大きく飛び出し、脊髄そのものを強く圧迫している場合に適しています。

首の後ろ側を切開し、筋肉を分けて椎弓(ついきゅう:背骨の後ろ側の骨)に到達する方法です。ヘルニアが左右どちらかに偏っており、脊髄から枝分かれした「神経根(しんけいこん)」を圧迫して片側の腕に痛みやしびれが出ている場合に適しています。

「手足に力が入らない」「箸がうまく使えない」「歩くときに足が突っ張る」といった症状がある場合は、神経が重大なダメージを受けている可能性があります。そのままにしておくと神経のダメージが大きくなり、手術をしても元の状態に戻らない可能性があります。早急に脊椎外科(脳神経外科、整形外科)を受診してください。

令和8年1月に導入した、術中ナビゲーションシステムは、メドトロニック(Medtronic)社が開発した、最先端の術中ナビゲーションシステムです。(写真提供:日本メドトロニック株式会社)
手術中に「器具の先端が、患者さんの解剖学的構造のどこに位置しているか」をリアルタイムで高精度に画面に表示するシステムであり、いわば「手術室のカーナビゲーションシステム」のような役割を果たします。
主に脳神経外科、脊椎外科、耳鼻咽喉科領域などの、極めて繊細かつ正確性が求められる手術で導入されています。
主な特徴とシステムテクノロジーは以下の通りです。
手術器具の位置を検出するため、症例や術式に合わせて光学式(赤外線カメラと反射マーカー)と磁場式(EM:電磁場センサー)の両方のトラッキング技術を選択・併用できる高精度なハイブリッド追跡(トラッキング)方式を搭載しています。これにより、術野の遮蔽(死角)によるエラーを減らし、手術器具の位置をナビゲーションで確認しながら手術を進めますので、より安全な手術が可能になります。
術前に撮影したCT、MRIをはじめ、CTA(血管造影)、fMRI(機能的MRI)、PET、SPECTなどの異なるモダリティの画像データをシステム上で高精度に重ね合わせ(フュージョン)、3Dモデル化できます。この画像を使って手術を進めることにより正確な手術が可能になっています。
X線透視装置、手術用顕微鏡、超音波装置などの手術で使用する医療機器と連携が可能で、スムーズな手術が可能となり、手術時間を短縮することができます。また、これにより手術中の放射線使用時間も短縮し、放射線被ばくを低減することができます。