ホーム > 診療科・部門 > 外科 > 外科の取組み

ここから本文です。

更新日:2018年12月8日

外科の取組み

低侵襲治療を推進しています

当科の一つめの特徴である低侵襲治療の推進について具体的に述べます。

鏡視下手術

今日、鏡視下手術は目覚ましい進歩を遂げています。当科でもとくに力を注いでおり、多くの疾患に適応を広げています。現在は、年間約400例以上の鏡視下手術を経験するに至り、これは全身麻酔を要する手術全体の30%以上を占めます。腹腔鏡手術の代表といえば胆嚢摘出術ですが、その他、大腸、胃、小腸、肝、副腎、脾、膵、肺など多くの臓器の手術にも適応しています。最近では、虫垂炎、消化管穿孔性腹膜炎、腸閉塞などの急性腹症の緊急手術においても、鏡視下手術を行うことがしばしばあります。さらに、2013年からは、一部の鼠径ヘルニアにも腹腔鏡手術を適応し、その結果、患者さんの術後疼痛の軽減や早期社会復帰など、大きなメリットをもたらしています。また、当科においては、厚生労働省の定める施設基準により、腹腔鏡下肝切除、腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除も保険適応治療となっています。とくに腹腔鏡下肝切除は部分切除以外に複雑な解剖学的切除も行っております。

腹腔鏡下肝切除の1症例を提示します(Fig.1)。肝右葉の巨大腫瘍の症例です。受診時は、腫瘍の破裂による腹腔内出血をきたしていたため、まずは経カテーテル的肝動脈塞栓により止血を行ったのちに、腔鏡下肝切除を行いました。発症時は重篤な病状でしたが、カテーテル治療と腹腔鏡手術により、体への負担が少なかったため早期に退院が可能でした。また、創も小さいので、退院後の痛みも軽微で、早く社会復帰ができました。

外科紹介Fig.1

 

IVR(Interventional Radiology)

腹腔鏡手術と並んで、低侵襲治療のもう一つの柱はIVR(Interventional Radiology)です。これは“放射線診断技術の治療的応用”と訳され、手術そのものを回避できる治療方法です。当院では血管内治療センター(血管内治療センター参照)が設備されており、とくに血管外科領域で積極的に行っています。当科で扱う動脈閉塞や腹部大動脈瘤の治療では、血管内治療の症例が多くを占めるようになりました。ステント治療をはじめとするIVRにより多くの症例で手術を回避でき、全身状態が不良な症例に対しても、安全に治療ができるようになりました。結果として治療対象となる症例総数も増加しています。

血管疾患以外にも、外傷による肝臓や脾臓損傷などの腹腔内出血、骨盤骨折による後腹膜出血の緊急止血においてもIVRはきわめて有用です。このような症例においては、第一に経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)による止血を試み、極力、開腹手術を回避しています。実際、ここ数年、外傷性肝損傷、脾損傷による出血に対する開腹術は経験していません。また、先に提示したFig.1の症例も手術に先行してIVRにより腫瘍出血を止めた例です。

外傷による脾臓の損傷による大量出血からのIVRによる救命例を提示します(Fig.2)。発症から軽快退院までわずか6日でした。症例は若年者であり、開腹手術を回避できたこと、大切な脾臓の機能を温存できたこと、TAEによる確実な止血により安静の必要がなく早期離床・退院も可能であったこと、など非常に有意義な治療と考えています。

外科紹介Fig.2

再発がん切除、高難度肝胆膵手術も積極的に行っています

鏡視下手術や、IVRなどの低侵襲治療のみでは、外科診療は成り立ちません。なぜなら、超進行がんの切除、高難度肝胆膵手術、難治な再発がんに対する切除術など、高度な技術が要求される拡大手術が必要な患者さんもたくさんおみえになるからです。当科ではこれらの手術を積極的に施行しています。肝臓・胆道・膵臓疾患の難度の高い手術においては肝胆膵外科高度技能専門医が手術のみならず、術前・術後管理にも関与し、治療の安全性を確保しています。さらに、外科疾患以外でも婦人科、泌尿器科領域の高度進行腫瘍の切除、再建手術などについても、幅広く依頼を受け、手術協力しています。

ここに超進行大腸がんで、再発治療を繰り返しながらも、長期生存している1例を提示します。肝再発の治療目的に紹介受診された患者さんです(Fig.3)。最初の大腸手術からすでに20年経過し、生存中です。2回の肝切除と化学療法(新規抗がん剤治療)により治癒した症例です。

外科紹介Fig.3

乳がんの診断と治療

当院では人工知能技術を搭載した、高画質・低被爆の3Dマンモグラフィを導入し、精密乳腺エコーもあわせ精査機関として正確な画像診断を心がけています。

乳がんの治療は、手術や薬物療法などの早期乳がんに対する初期治療から、進行、再発乳がんの治療、緩和医療までをガイドラインに則した標準治療を提案しながら行っています。

術後のリハビリテーションやリンパ浮腫に対するリンパ浮腫外来、また治療や生活面での相談など、医師だけでなく専門看護師や理学療法士、作業療法士、薬剤師など様々な職種、部門がチームとしてサポートができるよう取り組んでいます。また地域の診療所や病院と連携を組みながら術後の治療や経過観察を行っています。地域をあげて乳がんの診断から治療までを理解しサポートできるよう取り組んでいます

たくさんの治療選択肢を持っています

わたしたちは、このように多様な疾患、病態に対し、適切に対応できるように、毎日、研鑽を積んでおり、低侵襲治療から拡大手術までの数多くの選択肢の中からひとりひとりの患者さんに適した最善の治療を提供することを志しています。

ページの先頭へ戻る