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更新日:2023年8月29日

膝関節

前十字靭帯損傷

膝スポーツ外傷の中で最も多い靭帯損傷の一つです。前十字靭帯損傷の自然経過では二次的に半月板損傷や軟骨損傷を生じ、中長期的には変形性膝関節症を罹患してしまうため再建手術が望ましいとされています。(Lohmander LS, et al. Am J Sports Med 2007, Nebelung W, et al. Arthroscopy 2005)
当院での前十字靭帯再建術は断裂した靭帯を可能な限り温存し、ハムストリングを移植するレムナント温存2重束再建を行っております。入院期間は2日~7日です。術後は外来においてリハビリを継続し、術後2か月よりジョギング、術後3か月よりダッシュ、術後6か月よりフィールドでのアスレチックリハビリを開始、スポーツ完全復帰には約9か月間を要します。

断裂した前十字靭帯のMRI画像と術中写真

大腿骨に作成した骨孔とハムストリングス移植腱による再建後の写真

半月板損傷

膝スポーツ外傷で最も頻繁に遭遇する外傷の一つです。半月板切除を行った場合、軟骨にかかる圧が上昇し変形性膝関節症を進行させるとの報告がされているため、当院では可能な限りの半月板温存に努めております。半月板断裂部にフィブリンクロットと呼ばれる患者さん自身の血より作成した血餅を移植し、縫合術を行っております。日帰り手術が可能です。半月板縫合の場合はスポーツ復帰まで約6か月を要します。

断裂した半月板とフィブリングロットを移植縫合後の写真

自家培養軟骨移植術

軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織です。そこでご自身の軟骨を関節鏡にて少量採取し培養軟骨を作成し、再び膝に移植を行う手術を行うことで欠損した軟骨を修復することが可能です。

ジャック移植フロー。軟骨の一部を採取した軟骨組織を約4週間アテロコラーゲンゲル包理培養を行う。そして、軟骨欠損Bに培養軟骨を移植し、採取した骨膜で蓋をする

変形性膝関節症

脛骨高位骨切り術

膝周囲筋力強化、体重コントロール、装具、内服、関節注射などの保存的治療に抵抗する症例に対して手術を検討いたします。年齢や活動レベルによって手術方法を選択します。壮年期で活動レベルの高い方に対しては脛骨高位骨切り術を行っております。入院期間は約7日で松葉杖歩行にて退院となります。

術前、術後の比較レントゲン写真

人工膝関節置換術

当院では簡易ナビゲーションシステムを使用した人工膝関節置換術を行っております。ナビゲーションを使用することにより術中に正確な骨切りを行うことが可能です。術後の痛みを少しでも軽減させるため硬膜外麻酔を併用しています。手術翌日よりリハビリを開始します。術後約3日目より杖歩行訓練を開始、入院期間は約2週間予定です。術後の痛み、リハビリの進行具合によっては入院期間の延長も可能です。

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