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更新日:2023年6月12日

炎症性腸疾患の診断と治療

消化器内科 平田慶和

炎症性腸疾患(IBD)とは?

炎症性腸疾患は、英語ではinflammatory bowel diseaseと呼ばれ、その頭文字をとってIBD(アイビーディー)と略されます。IBDは、広い意味では腸に炎症を起こす全ての病気を指しますが、狭い意味では「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを意味します。潰瘍性大腸炎もクローン病も今のところ原因がはっきりとはわかっておらず、このため発症すると長期間の治療が必要な慢性の病気です。また、長期的には病状が悪い時期(再燃期)と落ち着いている時期(寛解期)を繰り返すのが特徴です。
若い人に発症することが多く、日本では1990年代以降、急激に患者数が増え続けており、潰瘍性大腸炎は20万人(米国に次いで世界で2番目に多い)、クローン病は7万人を超える患者さんがいます。潰瘍性大腸炎、クローン病ともに医療費の一部を国が補助する特定疾患(いわゆる難病)に指定されています。(日本消化器病学会ホームページより抜粋)

当院での診断・治療の実際

診断は大腸カメラを中心に行います。病状をはっきりとさせるために必要に応じて胃カメラや小腸の検査(カプセル内視鏡やバルン内視鏡や造影検査)を行うこともあります。検査結果をカンファレンスを通して消化器内科医師全員で検討し、正確な診断を心がけています。
治療に関しては、近年様々な新薬が開発され、日進月歩で治療法が進歩しています。常にこれら最新の情報を取り入れながら、一人一人の患者さんに最適な治療法を提供できるように努力しております。
まれに診断や治療に難渋する症例もあります。当院は、東海地区のIBD専門医(名大、名市大、三重大、愛知医大、藤田医大などの大学病院の専門医)とも日ごろから連携をとっており、難症例はこれらの専門医とも相談しながら治療を行っております。長く続く下痢や腹痛、血便などでお悩みの方、IBDと診断され治療を行っているが症状が改善しない方などはお気軽にご相談ください。

IBD患者の交流会

IBDの治療は長く続きます。また若年で発症するため様々なライフイベントと病気の治療が重なることもあります。これらの状況の乗り越えていくためには、病院での治療はもちろんですが、同じ体験をした患者さん同志での交流や情報交換も重要と考えています。当院では患者交流会を年2回、定期的に開催しています。悩みを抱えているIBDの患者さんやそのご家族の方はぜひご参加ください。

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