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更新日:2023年7月6日

心不全療養指導士の活動

「心不全療養指導士」は、超高齢社会を迎えて心不全患者が急増している現状を踏まえ、様々な医療専門職が質の高い療養指導を通し、病院から在宅、地域医療まで幅広く心不全患者さんをサポートすることを目指して、日本循環器学会が2021年度から開始した学会認定の資格です。医療専門職が知識や技能の向上を図って、心不全チーム医療を行うことにより、心不全再増悪による再入院を予防し、さらには国民全体の医療・福祉の向上に貢献することを目標としています。

当院では、これまでに12名が「心不全療養指導士」資格を取得しました。多職種の複数職員が集うチーム医療の中心的立場を担うことで、皆が同じ方向を向いて心不全診療に取り組むことができるメリットがあると考えます。

心不全療養指導士の役割

1.心不全の発症・進展の予防の重要性を理解し、その予防や啓発のための活動に参画することができる

2.心不全の概念や病態、検査、治療について理解し、それをもとに病状などを把握することができる

3.心不全の進展ステージ(図1)に応じた予防・治療を理解し、基本的かつ包括的な療養指導を実施することができる

4.医療機関あるいは地域での心不全に対する診療において、医師や他の医療専門職と円滑に連携し、チーム医療の推進に貢献することができる
5.心不全患者の意思決定支援と緩和ケアに関する基本的知識を有している

心不全療養指導士 - 日本循環器学会(外部サイトへリンク)より抜粋引用

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現在行っている主な活動

心不全ノート(心不全地域連携パス)を用いた指導(図2)

日常生活での留意点の指導を行います。個々の患者さんを取り巻く環境などを踏まえた個別的な指導を行うために、入院中に複数回の指導を行います。

入院中に測定した血圧や体重を患者さん自身で心不全ノートに記す、セルフケア指導を行います。入院中に床頭台のテレビで閲覧できる「セルフケア支援動画」を作成し、配信しています(図3)。

また、退院前に患者さんのセルフケア能力をモニタリングし、退院後のセルフケア継続支援につなげます(図4)。

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図3 セルフケア支援動画

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つなぐ看護電話プロジェクト

急性あるいは慢性心不全急性増悪にて入院した患者さんが退院した後に、一定の間隔をおいて複数回電話連絡を行います。症状を聴取してアセスメントするとともに、セルフケアモニタリング・継続支援を行います。

関連リンク:急性心不全患者に対する退院後の電話によるセルフケア支援とその効果(つなぐ電話プロジェクト)

上記活動を通じて、心不全に関する知識や推奨される行動を個々の患者さんに理解してもらうことをねらいます。しかし、すべての患者さんがしっかり理解して速やかに行動ができるわけではありません。何度も指導を要しても、少しでも心不全について知ってもらい、理想的な行動に近づいてもらう(行動変容)ことができ、心不全増悪による再入院低下につながることを期待します。

スタッフ教育

心不全で入院した患者さんの早期回復、再入院予防を目的に、受け持ち看護師が担当患者さんの病態や治療目標を理解して必要なケアを提供できるよう、スタッフ教育に取り組んでいます。

オンライン勉強会

福祉・介護施設の職員との勉強会を開催し、講義や質疑応答を行います。

関連リンク:心不全出前講座

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)

多職種カンファレンスにて候補患者の抽出を行います。院内の緩和ケアセンター職員と事例共有を行います。

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