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更新日:2024年9月17日
カテーテルという細い管を使用して、不整脈の原因となる悪い電気信号をアブレーション(焼灼)する治療です。
メスなどを使う手術に比べて、身体の負担を最小限に抑えることができるうえ、不整脈の根治も目指せる手術です。
カテーテルアブレーションのメリットは大きく3つです。
症状や身体の状態によっては複数回行う場合もありますが、カテーテルアブレーションによって不整脈の根治が目指せます。
また治療後、抗不整脈薬を飲む必要がなくなる可能性が高まります。
さらに、メスを使わず、血管に細い管を入れて治療するため、傷が小さく、身体への負担が少ないことから、日常生活を送れるようになるまでの期間が非常に短いです。
高齢者のような体力の少ない方であっても、最小限の負担で不整脈の根治を目指せる可能性があります
カテーテルアブレーションのデメリットは、合併症があることです。外科的手術と比べると低侵襲ですが、薬剤療法含めて危険性がゼロである治療法は存在しません。
当院では、十分な対策をとることでリスクをゼロに近づけるようスタッフ一同努力を惜しまず取り組んでいます。
入院期間は、通常2泊3日から3泊4日です。
手術前日または、当日に入院して治療の翌々日に退院となります。
治療は、医師、臨床工学技士、看護師などからなるアブレーションチームで行います。
患者さんの苦痛がないよう、鎮静薬、鎮痛薬の静脈麻酔を使用します。ただし覚醒していないと診断がつかない不整脈もあり、その場合は局所麻酔のみで診断がついてから鎮静剤を開始します。
術後4時間は足を曲げずに安静にする必要があります。4時間経過して出血がなければ、ベッド上での行動が自由になります。翌朝に点滴を抜き、普段通りの歩行が可能になります。再出血がないかどうか、心電図の異常や他の合併症が認められないかどうかなどをチェックして問題なければ、翌々日に退院となります。
手術費用は状況により異なりますが、高額療養費制度を利用することで、10万円程度の自己負担に抑えることができます。(詳細はご加入の健康保険にご相談ください)
通常、退院翌日から日常生活に戻ったり仕事に復帰されたりします。
また軽い運動に関しては、術後1週間を目処に許可が降りる場合が多いでしょう。
日々、患者さん一人一人と向き合って診療にあたっています。
どのような不整脈であっても患者さんがお困りであればいつでもご紹介ください。
今年度から、名古屋大学 循環器内科・准教授 因田先生と共にアブレーション治療にあたっています。
不整脈をもつ患者さんは虚血性心疾患や心臓弁膜症などを合併していることも多く、総合的な診療が必要になります。当院は24時間循環器医師が院内におりますので緊急の場合は、救急での対応をさせていただきます。いつでも気軽にご相談ください。
Coexistence of a Classical Nodoventricular Accessory Pathway With a Left-Sided Mahaim Accessory Pathway.
Maeda S, Nagashima K, Yasuda N, Tsurumi N, Kato T, Awaji Y.
JACC Case Rep. 2024 Jan 24;29(5):102220.
前田宗一郎 (分担執筆). Heart View 2024年8月号 激アツ! 本気の心房アブレーション
第7章 逆方向性回帰性頻拍: Kent束・Mahaim束への誘い