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更新日:2025年6月1日
アレルギーの血液検査が「陽性」であっても、必ずしもその食物を食べて症状が出るわけではありません。
食べたことのない食物の場合や症状の原因食物が特定できない場合は、食物経口負荷試験を行って診断する必要があります。また、食物アレルギーと診断されても「完全除去は不要で少量なら食べられる」など除去が必要な範囲は患者さんにより異なります。食物経口負荷試験を行うことで、安全に食べられる範囲がわかり、「食べることを目指した食事指導」を受けることができます。
当院では、【日帰り入院での食物経口負荷試験】を年間660件以上行っています。
食物アレルギーと診断されても、少量なら安全に食べられるなど除去が必要な範囲はお子さんにより異なります。
食物経口負荷試験を行って、安全に食べられる範囲を確認しましょう。
また、原因不明のアレルギー症状の原因検索やアレルゲンの除去解除のための運動負荷試験を年間10~20件程行っています。
日常的によく食べる食物(卵、牛乳、小麦など)にアレルギーのあるお子さんは、食物除去を必要最小限に留めて、症状を起こさない範囲で継続して食べていくことで、食べられる量が徐々に増え、将来的にアレルギー症状が、緩和される可能性があります。
また、食べられる量が増えるとアレルゲンの微量混入により症状が起きることを防ぐことができ、患者さんや家族の生活の質が大きく改善します。
当院では、食物経口負荷試験で食べられる範囲を確認した後、医師の指導とともに管理栄養士の食事指導を受けることができます。
重症者には、エピペン教室でアナフィラキシーやエピペンについて指導した上で、エピペンを処方しています。
当院では約230人の患者さんにエピペンを処方しています。
食物アレルギーの原因は完全には分かっていませんが、発症に影響するものの中でもアトピー性皮膚炎が重要とされており、早めの積極的な治療が必要です。
湿疹やアトピー性皮膚炎がある赤ちゃんは、積極的な治療をして皮膚をきれいにし、医師の適切な指導の下、早期に離乳食を導入することで食物アレルギーを予防できる可能性があります。そして、スキンケアを続けてきれいな肌を保つことで、食物アレルギーだけでなく、成長とともに気管支喘息などの他のアレルギー疾患が続けて発症する「アレルギーマーチ」を予防することもできます。
当院では、生後早期からのスキンケア指導、アトピー性皮膚炎の治療も積極的に行っています。離乳食開始時期も含め、食物アレルギーの予防・治療に適切な食事指導など数多くの実績がありますので、安心して治療を受けていただけます。
赤ちゃんのうちからスキンケアをしてきれいな肌を保ち、医師の適切な指導の下、早期から離乳食を導入することで食物アレルギーを予防できる可能性があります。
食物経口負荷試験は、アレルギーの原因と確定している、もしくは疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取させ、誘発症状の有無を確認する検査です。
当院では負荷プロトコルを個々の患者さんの病歴・検査結果を参考に、医師・看護師・栄養士が参加するカンファレンスで事前に決定して実施しています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、原因食物の摂取単独または運動負荷単独では症状が出現せず、原因食物摂取後の運動負荷によってアナフィラキシーが誘発されます。詳細な問診とアレルギー検査により被疑食物を絞り込みますが、これらで診断がつかない場合、運動負荷試験を行います。ガイドラインでは、運動負荷試験は安全確保のため、食物経口負荷試験の経験が豊富な専門施設で、入院して実施することが望ましいとされています。
当院では、小児アレルギーセンター内に設置されているトレッドミルを使用し、安全性を重視するため2人以上の医師の観察下で運動負荷試験を行っています。