ホーム > 診療科・部門 > 腎臓内科 > 膠原病

ここから本文です。

更新日:2026年5月1日

膠原病とは

膠原病とはどのような病気?

膠原病の共通する特徴は、全身の細胞を繋ぎ合わせている「結合組織(コラーゲン)」に慢性的な炎症が起こることです。

リウマチ・膠原病は、男性よりも女性に多く発症することが知られています。たとえば全身性エリテマトーデスは「女性:男性=9:1」と報告されています。なぜこれほど顕著な男女差があるのか、その理由はまだ完全には解明されていません。しかし、その背景には女性ホルモン、特に「エストロゲン」が免疫システムに与える影響が深く関わっていると考えられています。全身性エリテマトーデスは20〜40代の女性に多く、関節リウマチも30〜50代の女性に発症しやすい傾向があります。

  • 全身性:特定の臓器だけでなく、血管や関節など全身に症状が出る可能性があります。
  • 非伝染性:細菌やウイルスによる病気ではないため、他人にうつることはありません。

多くの場合、症状が良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返しながら長く付き合っていくことになります。

膠原病の主な種類

膠原病には多くの種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。

関節リウマチ

関節リウマチは、本来は外敵から体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の関節(滑膜:かつまく)を攻撃してしまうことで起こる自己免疫疾患です。

足の指などの関節に炎症が起こり、放っておくと関節が変形してしまいます。

関節リウマチの関節画像

※ 関節リウマチは、整形外科が担当しています。整形外科を受診してください。

全身性エリテマトーデス (SLE)

全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus: SLE)は、本来は細菌やウイルスから体を守るはずの免疫系が、自分自身の健康な細胞や組織を攻撃してしまうことで起こる、代表的な自己免疫疾患の一つです。「全身性」という名の通り、皮膚、関節、腎臓、肺、脳、血液など、体中のあらゆる臓器に炎症や障害を引き起こす可能性があるのが特徴です。

皮膚の赤み(蝶形紅斑)、発熱、腎障害など全身の様々な臓器に影響が出ます。

全身性エリテマトーデスの部位ごとの症状

全身性強皮症

全身性強皮症は、皮膚や内臓の組織が硬くなる(線維化)ことを特徴とする自己免疫疾患です。国が指定する難病(指定難病51)の一つでもあります。

主に以下の3つの変化が組み合わさって起こります。

  1. 血管障害: 血管の壁が厚くなり、血流が悪くなる。
  2. 免疫異常: 自分自身の体を攻撃する自己抗体(抗トポイソメラーゼI抗体や抗セントロメア抗体など)が作られる。
  3. 線維化: コラーゲンが過剰に蓄積し、皮膚や肺、消化管などの組織が硬くなる。

皮膚や内臓が硬くなったり、指先の血流が悪くなる(レイノー現象)ことが多く、全身に症状が出ます。

全身性強皮症の部位ごとの症状

 

多発性筋炎・皮膚筋炎

多発性筋炎と皮膚筋炎は、本来は体を守るはずの免疫系が誤って自分の筋肉や皮膚を攻撃してしまうことで起こる、原因不明の慢性的な炎症性疾患です。

主な症状

筋力低下(肩や太ももなど、体の中心に近い筋肉(近位筋)に力が入りにくくなります)

  • 階段の上り下りがつらい
  • 椅子から立ち上がるのが大変
  • 高いところの荷物を取れない
  • 髪を洗うときに腕が上がりにくい
  • 筋肉の痛みを感じる

皮膚の症状(特徴的な赤紫色の発疹が現れます)

  • ヘリオトロープ疹: まぶたが腫れぼったく赤紫色になる。
  • ゴットロン徴候: 指の関節の背側にカサカサした赤い発疹ができる。
  • Vネック徴候・ショール徴候: 胸元や肩から背中にかけて赤い発疹が出る。

合併症(全身臓器)

  • 間質性肺炎: 肺が硬くなり、空咳や息切れが起こる(非常に重要な合併症です)。
  • 悪性腫瘍: 特に高齢の皮膚筋炎患者において、がんが合併しやすい傾向があります。
  • 嚥下障害: 喉の筋肉に炎症が起きると、飲み込みにくくなります。

シェーグレン症候群

涙腺や唾液腺が攻撃され、目や口が極端に乾燥します。

シェーグレン症候群の部位ごとの症状

混合性結合組織病 (MCTD)

SLE、強皮症、多発性筋炎の症状が混ざり合って現れます。

初期に出る症状

種類によって異なりますが、初期によく見られる共通のサインがあります。このサインを見逃さずに「おかしいな?」と思ったら受診することが大切です。

  • 関節の痛み・腫れ:朝起きた時に関節がこわばる。
  • 発熱:原因不明の微熱が続く。
  • 皮膚の症状:湿疹、日光過敏症、冷たい水に触れると指が白くなる(レイノー現象)。
  • 倦怠感:常に体がだるく、疲れやすい。

治療法について

現在の医学では、多くの膠原病を完全に治す(完治)ことは難しいですが、「寛解(症状が落ち着いて安定した状態)」を維持することが可能です。

主な薬剤

  1. 副腎皮質ステロイド: 炎症を強力に抑える、治療の柱となる薬です。
  2. 免疫抑制薬: 異常に活発になった免疫の働きを抑えます。
  3. 生物学的製剤: 特定の炎症物質をピンポイントでブロックする新しいタイプの薬(特に関節リウマチなどで効果を発揮します)。
  4. 血流改善薬: 強皮症などで血管が狭くなっている場合に処方されます。

日常生活での注意

  • 紫外線対策: SLEなどは紫外線を浴びると症状が悪化(増悪)することがあります。
  • 保温: 血流を良くするために体を冷やさない工夫が必要です。
  • 感染症予防: 薬の影響で免疫力が下がることがあるため、手洗い・うがいが重要です。

最後に

膠原病は早期発見と適切な治療の継続により、発症前と大きく変わらない生活を送れる方が増えています。気になる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診することをお勧めします。

ページの先頭へ戻る