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更新日:2018年12月8日

リザーバー留置術

 

ある一定の期間、血管内へ栄養剤やお薬を定期的に必要とする方や定期的に腫瘍血管へ直接お薬を流す必要のある方がみえます。このような場合、毎回、太い血管へカテーテル(直径2mmぐらいの細い管)を入れられるのは治療を受けられる方にとても負担になりますし、感染も心配になります。そこであらかじめ皮膚の下から血管の中へカテーテルを埋め込んでおき、そのカテーテルを使って薬を注入したり、そのカテーテルにさらに細いカテーテルを挿入して細いカテーテルから薬を注入して治療します。カテーテルを皮下に埋め込んでありますので治療の期間にお風呂に入ることもできます。
特殊選択型大動脈リザーバー留置術、MRIポート留置術を行なっておりますが、すべての腫瘍に適応できるわけではありません。特殊選択型大動脈リザーバー留置術は肝細胞がんが主な適用になります。MRIポート留置術はそれらよりも幅広い適応となり、薬だけでなく栄養剤の注入にも利用します。当院では治療効果を根拠として疾患に一番適応する方法を選択して治療いたしますので詳しくは各診療科の医師にご相談ください。

特殊選択型大動脈リザーバー留置術

診療科:消化器内科

通常行われている投げ込み式動注リザーバーによる治療は肝細胞ガンの広がりや縮小に対応して選択的に抗腫瘍剤や塞栓物質を注入することができません。腫瘍を栄養している血管にカテーテルが入っているために時にはその血管が閉塞して治療ができなくなることがあります。また、治療後に体内に留置したカテーテルを取り除くことができません。この欠点を補うために当院でのリザーバーによる治療は特殊選択型大動脈リザーバー留置術を行っています。この方法は上腕動脈や大腿動脈から大動脈や腸骨動脈に側穴を開けたリザーバーカテーテルを留置して、そのカテーテルの側穴からマイクロカテーテルを通し、選択的に腫瘍の血管に対して治療を行うもので従来の方法と比べてより正確な治療ができるようになりました。そして治療終了後はリザーバーカテーテルを抜くことができますので、治療を受けられる方にとって負担のない治療になっています。当然、リザーバーカテーテルは皮下に埋め込んでありますので治療中にお風呂に入ることもできます。

MRIポート留置術

診療科:外科

上大動脈にカテーテルを留置して、薬の注入口を皮下に埋め込んでおき、そこから薬や栄養剤を注入する治療です。

頭頸部動注リザーバ留置術

診療科:歯科口腔外科

口腔外科領域の腫瘍(舌がんや上顎がんなど)に対して、動注リザーバーによる抗腫瘍剤治療を行っています。顔面を通る浅側頭動脈からリザーバーカテーテルを入れて顎動脈や舌動脈にカテーテルの先端を留置し、このカテーテルを通して目的とする腫瘍に抗腫瘍剤を注入するという方法です。ただし、リザーバーカテーテルだけでは選択的に抗腫瘍剤を注入できず、口腔内に潰瘍を生じてしまうため、当院では、抗腫瘍剤を流したくない血管に金属コイルを入れて塞栓して腫瘍血管だけに抗腫瘍剤を流す血流改変と呼ばれる方法を行っています。
平成27年度は16件行っています。

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