尿路結石
尿路結石とは
尿路結石は「のたうち回るような激痛」と表現されるほど、非常に強い痛みを伴うことが多い疾患です。結石が尿路のどこかに詰まり、尿の流れがせき止められて腎臓の圧力が高まると、突然「疝痛(せんつう)発作」という激痛を引き起こします。また、結石によって尿路の粘膜が傷ついて出血し、血尿が出ることがあります。結石ができる場所は、腎臓、尿管、膀胱などです。

主な症状と原因
- 背中から脇腹、下腹部にかけての突然の激しい痛み(疝痛発作):尿の流れがせき止められて腎臓の圧力が高まることで起こります。
- 血尿:結石が尿路の粘膜を傷つけることで起こります。
- 頻尿・残尿感:結石が膀胱の近くまで降りてくると現れやすくなります。
- 吐き気・嘔吐:強い痛みによる自律神経の乱れから起こることがあります。
治療方法
結石の大きさや場所によって方針が異なります。
- 自然排石(保存療法):5mm〜10mm未満の小さな結石の場合、水分を多く摂り、適度な運動をして自然に排出されるのを待ちます。
- 体外衝撃波結石破砕術 (ESWL):体外から衝撃波を当てて結石を砕く治療です。
- 経尿道的結石破砕術 (TUL):内視鏡を尿道から挿入し、レーザーなどで直接結石を砕く手術です。
当院での治療
- 体外衝撃波結石破砕装置:体を傷つけることなく結石を細かく破砕して自然排石を促す治療法が標準となっています。平成26年度から最新式の装置が導入され、治療成績も良好です。どの部位の結石も麻酔せずに軽い鎮痛剤のみで治療可能です。入院せず通院での治療が主で、治療後帰宅できます。
- 経尿道的結石摘出術:体外衝撃波結石破砕装置の治療で破砕困難な場合は、非侵襲的な内視鏡による結石摘出術を行っています。
日常での予防策
結石は再発率が高い(5年以内に約50%)と言われています。
十分な水分摂取
1日2リットル程度の水分(主に水や麦茶、ほうじ茶)を摂り、尿を薄めることが推奨されます。
- コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶は、シュウ酸が多く含まれているので注意しましょう。
- コーヒーを飲むときは、カルシウムを含むミルク(牛乳など)を入れましょう。
シュウ酸の摂取に注意
- カルシウムを摂取する:ほうれん草、紅茶、チョコレートなどに多い「シュウ酸」は結石の主成分になりやすいです。摂取する際は、カルシウム(牛乳や小魚など)と一緒に摂ると、腸内で結合して便として排出されやすくなります。
- 野菜はできるだけ茹でる:シュウ酸は水に溶けやすいので、野菜は茹でて食べるとシュウ酸の摂取を抑えられます。
- クエン酸を摂取する:クエン酸は尿中でシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムの結晶化を抑制する働きがあるので、レモン・グレープフルーツなどの柑橘類や酢、梅干しなど酸味のある食物を摂取するようにしましょう。
マグネシウムの適量摂取(過剰摂取に注意)
- 海藻類に多く含まれるマグネシウムは、シュウ酸カルシウム結石などの形成を抑制する働きがあります。シュウ酸カルシウム結石を予防するには、マグネシウムが豊富な海藻や野菜を適量摂取することが重要です。
- 過剰摂取は、結石の種類によってマグネシウム自体が結石になる可能性もあり注意が必要です。
- 尿路感染がある場合は、マグネシウムによる結石のリスクが高まります。
塩分・糖分の控えめな摂取
これらは尿中へのカルシウム排泄を増やしてしまいます。
注意点
もし今、背中や脇腹に痛みがあり、あわせて「高熱」が出ている場合は、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの重い感染症を併発している可能性があります。その場合は、夜間であっても至急受診を検討してください。