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更新日:2026年10月22日

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)は、お腹の中を通る一番大きな血管(腹部大動脈)の一部が、コブ(瘤)のように膨らんでしまう病気です。大きくなると破裂する危険性があり、適切な診断と治療・管理が非常に重要になります。

初期の段階では自覚症状がほとんどないため、健康診断や他の病気の検査(超音波やCT)で偶然見つかることが大半です。

心臓から全身へ血液を送る大動脈の太さは、通常お腹のあたりで約2cmです。 加齢や生活習慣病などが原因で血管の壁が脆くなると、血圧に耐え切れず風船のように膨らんできます。一般的に、血管の直径が正常の1.5倍(約3cm以上)に広がった状態を「大動脈瘤」と呼びます。

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主な原因とリスク要因

血管壁の弾力が失われる動脈硬化が最大の要因です。

  • 加齢(60代以降に増加)
  • 喫煙(最も強いリスク要因)
  • 高血圧
  • 脂質異常症(高コレステロール血症)
  • 男性(女性の数倍多く発症)

症状について

  • 無症状(大半)
    ほとんどの場合、痛みや違和感はありません。健康診断や他の病気の検査(超音波やCT)で偶然見つかることが大半です。
  • 自覚症状が出る場合
    臍(へそ)のあたりでドクドクと脈打つ塊に触れる。
    コブが大きくなり周囲の臓器を圧迫することで、腰痛、背部痛、腹部の不快感が生じる。
  • 破裂した場合(緊急事態)
    突然の激しい腹痛や背部痛、劇的な血圧低下(ショック状態)、意識障害を引き起こします。破裂した場合は命に関わるため、直ちに緊急手術が必要です。

治療方法

治療方針は、「瘤の大きさ(直径)」と「拡大するスピード」によって決まります。

一般的に、瘤の直径が5cm〜5.5cm以上になると破裂リスクが急激に高まるため、手術(予防的手術)が検討されます。5cm未満の場合は、定期的なCTやエコー検査で経過観察を行いながら、厳格な血圧管理と禁煙を徹底します。

破裂リスクを減少させる予防的手術には、大きく分けて人工血管置換術とステントグラフト内挿術の2つの方法があります。

治療法 人工血管置換術(開腹手術) ステントグラフト内挿術
治療のしくみ お腹を切開し、膨らんだ大動脈の病変部を直接「人工血管」に替える 足の付け根を少し切開し、カテーテルを使って内側から「金属ステント付き人工血管」を留置する
身体への負担 大きい(全身麻酔+開腹) 小さい(局所麻酔や軽度の全身麻酔で可能)
入院期間の目安 約1〜2週間 約3〜7日
長所

確実に病変部を置き換えるため長期的な信頼性が高く、再手術のリスクが非常に低い

切開が小さく、身体への負担が少ないため、高齢者や持病(持病の心臓病・呼吸器疾患など)がある方でも受けやすい
留意点 術後の回復に少し時間がかかる 術後にわずかな血漏れ(エンドリーク)が起きることがあり、定期的な経過観察が必要

 

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stentgraft

日常生活で気をつけること(予防・管理)

  • 人間ドックなど、定期的な健康診断
    腹部超音波検査や腹部CT検査などが含まれる健康診断を受けることが重要です。
  • 徹底した血圧管理
    血管への負荷を減らすため、高血圧の治療・食事療法を行います。
  • 完全禁煙
    タバコは動脈瘤の拡大速度を早め、破裂リスクを格段に高めます。
  • 定期受診の継続
    経過観察と言われた場合は、指示されたスケジュールでCTやエコー検査を必ず受けることが大切です。

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