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更新日:2019年5月20日

歯科口腔外科の病気

平成30年度の診療

入院患者数は461人、初診者数は5,051人でした。
主な疾患の内訳は埋伏智歯(親知らず)908例、顎関節疾患184例、粘膜疾患174例、炎症性疾患249例、顎骨骨折及び歯牙脱臼などの外傷性疾患319例、嚢胞性疾患177例、口腔領域における腫瘍123例、唾液腺疾患25症例、三叉神経痛などの神経性疾患14例、口腔乾燥症34例、顎変形症1例、舌や口唇の小帯位置異常が40例などでした。

埋伏智歯

智歯(親知らず)は歯冠が完全に生えることが少なく、歯肉で一部被覆されていたり、水平埋伏状態になっていることが多く認められます。そのため、将来的に智歯周囲炎や骨膜炎などの炎症を引き起こすことがあるため、完全に生えていない智歯に対しては積極的に抜歯を行っています。年間908例の智歯抜歯を行い、そのうち3分の1の282例は2泊3日の入院で両側智歯を同時に抜歯しました。入院での両側同時抜歯は、通常の局所麻酔だけでなく静脈鎮静法を併用するため苦痛はかなり軽減され、また点滴薬剤による術後の腫れの防止も相まって、年々その頻度は高くなっています。

顎関節疾患

顎関節疾には、主として顎関節症と顎関節脱臼とがあり、顎関節症169例、顎関節脱臼14例でした。顎関節症では症状に応じてスプリント療法、薬物療法、顎関節腔内洗浄療法などを行っています。顎関節腔内洗浄療法は、外来で実施できる比較的安全な顎関節の外科的療法で、開口障害や顎関節疼痛の改善に有効です。手術室での関節鏡を用いた洗浄療法も実施しています。顎関節脱臼に関しては迅速に整復処置を行っています。
※顎関節腔内洗浄療法11例(関節鏡視下での両側同時洗浄術も含む)

炎症性疾患

炎症性疾患は年間249症例でした。内訳は、智歯周囲炎74例、上顎又は下顎骨骨膜炎51例、歯性上顎洞炎36例、その他頬部蜂窩織炎、口底蜂窩織炎などでした。炎症性疾患の方に対しては膿瘍形成している場合、早期に切開排膿処置を行い、必要があれば点滴で抗生剤を投与しています。

顎顔面外傷

顎顔面領域の外傷性疾患も多く、顎骨や頬骨などの顔面骨骨折は43例、歯牙脱臼及び破折77例、口腔領域の挫創173例でした。顎骨骨折は鼻骨や眼窩周囲の骨折を伴っていることが多く、耳鼻咽喉科、形成外科、眼科など他科との連携により、検討会を行ったうえで治療方針を決め、観血的又は保存的治療を行っています。歯牙脱臼については、受傷から治療までの時間が予後に大きく影響を及ぼすため、保存可能な歯牙であれば早急に歯牙再植を行い、暫間固定を行っています。口腔挫創につきましても早急に縫合処置を行っています。
※顔面骨折観血的整復術9例

口腔腫瘍(粘膜疾患を含む)

口腔腫瘍は良性腫瘍97例、舌がん、歯肉がん、頬粘膜がんなどの悪性腫瘍26例、その他白板症、扁平苔癬などの粘膜疾患174例です。
悪性腫瘍の治療は化学療法、放射線療法、外科的療法を組み合わせて行うのが一般的ですが、当科では超選択的動脈注射及び血流改変術を併用することで、がんの栄養動脈にのみ抗がん剤を投与する切らずに治す方法を用い、同時に放射線治療を併用することで、より高い治療効果が得られています。
これらの動注化学療法は原発腫瘍を手術で切除することなく保存的に治療できます。手術をしなければならないのは10%以下で、90%以上の口腔がんは手術の必要なく治っています。
※血流改変術を併用した超選択的動注療法16例
良性腫瘍97例の内訳は血管腫が15例、線維腫40例、歯牙腫1例、エナメル上皮腫2例、乳頭腫11例、その他の良性腫瘍28例で、治療法は主に摘出手術を行っています。その他の粘膜疾患では白板症、紅板症、扁平苔癬など、稀にがん化する前がん病変があるため、精査を行ったうえで慎重に経過観察を行っています。

嚢胞性疾患

歯根嚢胞、含歯性嚢胞に代表される顎骨嚢胞の治療は、原則的には外科的摘出術と原因歯の抜歯です。当科では原因歯については抜歯をできるだけ避けて、歯根端切除術を併用して歯牙の保存に努めています。また抜歯適応とされるような臼歯部での嚢胞病変のある歯牙の場合、一旦抜歯して口腔外でその歯の治療と嚢胞摘出とを行い、再び抜歯窩に戻す方法も高い成功率が得られています。
※歯根端切除術を併用した顎骨嚢胞摘出術30例

顎変形症

下顎前突症、上顎後退症に代表される顎変形症では近くの矯正歯科と連携し、外科治療が必要な症例に対しては術前矯正を行った後、当科で骨切り術を行っています。
※顎変形症手術1例

インプラント

インプラント治療に際しては全例に術前のCT撮影を行い、インプラント用シミュレーションソフトにより解析することで最も適正な位置に適切なインプラントを埋め込んでいます。また、インプラントの術前治療として、上顎前歯部や上顎臼歯部などの骨量が不足しがちな場所では、積極的に骨移植術やサイナスリフト術を行っています。インプラントの埋め込みは別の医療機関でと考えている方には、CT診断や骨移植などの術前治療のみも行っています。なおインプラントに関する治療費は、保険診療が適応されませんのですべて自費診療になります。
※サイナスリフト2例、インプラント埋入10例

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