ホーム > 診療科・部門 > 脳卒中センター > 脳梗塞

ここから本文です。

更新日:2026年5月15日

脳梗塞

脳梗塞は「一年中」要注意!

「脳梗塞は冬の病気」「高齢者がなるもの」と思っていませんか?

実は、脳梗塞は脳の血管が詰まる病気で、季節を問わず発症します。特に働き盛りの30〜50代であっても、夏場には冬とは違う理由でリスクが高まるため油断は禁物です。

ご自身や大切な家族を守るために、季節ごとのポイントを抑えておきましょう。

noukousoku10

季節によって違う「詰まり方」の原因

冬に多いタイプ

心臓が原因。不整脈(心房細動)などが原因で、心臓にできた血の塊が脳へ飛んでしまうタイプです。高齢の方に多く、突然重症化しやすいのが特徴です。

sinnbousaidou

夏に多いタイプ

「脱水」が原因。夏は大量の汗をかくことで、体内の水分が不足します。 水分が減ると血液の粘り気が増し、血管が詰まりやすくなります。特に動脈硬化のある方は要注意です。

  • 寝ている間が一番危険です。睡眠中は水分補給ができず、さらに血圧も下がるため、血流が滞りやすくなります。
  1. 寝る前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。
  2. 寝る前の深酒(大量の飲酒)は控える。 お酒には利尿作用があるため、脱水を早めてしまいます

治療

脳梗塞の治療は、発症からの経過時間によって内容が大きく異なります。一刻も早い受診がその後の回復を左右するため、「時間との勝負」と言われるのが特徴です。

主な治療法は、大きく分けて急性期治療再発予防リハビリテーションの3つのフェーズに分かれます。

急性期治療(発症直後)

発症から数時間以内の場合、詰まった血栓を溶かしたり取り除いたりする治療が検討されます。

1.血栓溶解療法(t-PA静注療法):発症から4.5時間以内であれば、点滴で血栓を溶かす薬(t-PA)を投与できます。劇的な改善が見込める一方で、出血のリスクもあるため慎重に判断されます。

2.血管内治療(カテーテル治療):発症から8時間〜24時間以内(症例による)であれば、足の付け根から細い管(カテーテル)を通し、ステントリトリバー(ステントの網目で血栓を捕まえて回収するデバイス)や吸引デバイスを使って直接血栓を回収します。

kessenkaisyuu

3.脳保護薬・抗浮腫薬:脳の腫れ(浮腫)を抑え、脳細胞の損傷を最小限に食い止めるための点滴を行います。

再発予防(薬物療法)

脳梗塞は再発しやすいため、原因に合わせて血液をサラサラにする薬を継続します。

  • ラクナ梗塞・アテローム血栓症:抗血小板薬(動脈硬化が原因のため、血小板の働きを抑える。薬品例:アスピリンなど)
  • 心原性脳梗塞症:抗凝固剤(心房細動などの不整脈が原因のため、血液が固まるのを防ぐ。薬品例:ワーファリン、DOACなど)

リハビリテーション

急性期からできるだけ早く開始することが推奨されています。

急性期リハビリ: 発症後24〜48時間以内から、寝たきり防止や関節の硬化を防ぐために始まります。

回復期リハビリ: 専門の病棟に移り、歩行訓練や言語療法、日常生活動作(食事・入浴など)の訓練を集中して行います。

合言葉は「ACT-FAST(アクト・ファスト)」

脳梗塞は、「どれだけ早く治療を始めるか」が後遺症の重さを左右します。「おかしいな」と思ったら、迷わず次のサインを確認してください。

F (Face)

顔のゆがみ

片方の口角が下がる、笑顔が左右非対称。

A (Arm)

腕の力

両腕を前に上げると、片方だけ下がってしまう。

S (Speech)

言葉の異常

ろれつが回らない、言葉が出てこない。

T (Time)

発症時刻を確認

すぐに救急車を呼びましょう!

 

fast

「すぐに治ったから安心」は大きな間違い!

突然のふらつきや、視界の異常(片目が見えない、二重に見える)が起きたものの、数分で元通りになることがあります。これは「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる脳梗塞の前触れで、体からの最終警告です。

tiasyouzyou

症状が消えた人の約2割が、3ヶ月以内に本格的な脳梗塞を発症するというデータがあります。「治ったから大丈夫」と放置せず、すぐに医療機関を受診してください。

脳梗塞は、正しい知識と素早い行動で防げる、あるいは軽症で済ませられる病気です。「おかしい」と感じた時の直感を信じて、早めの対策を心がけましょう。
 

ページの先頭へ戻る