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更新日:2024年1月17日

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ACP~意思決定支援~

緩和ケアセンター・がん相談支援センタースタッフAの声

同じ年のがん患者さんと出会い終末期と向き合うため専門の道へ

入職後、病棟勤務をしていた時のことです。私と同じ年で、同じようにまだ小さい子を持つ母である肺がん患者さんと意気投合して、仲良くさせていただいていました。しかし、病状が進み、やがてその方に死が迫りました。その方は、となりで眠る幼いお子さんを見て泣いていました。同じ母である患者さんの無念が伝わり、私は病床に足が向かなくなっていきました。

そんな時、上司から「がん看護の専門的な研修に行ってみては」と勧められたのです。「死期が迫る患者さんのために何かできるようになりたい。逃げずに向き合いたい」と思った私は、勉強することを決めました。そして、がんに特化し、痛みを和らげることができるような看護師になるために、がん性疼痛看護認定看護師に。

私たちは医師や薬剤師、公認心理師、管理栄養士など、様々な専門職種とチームを組んでいます。例えば薬剤についても、チームで適切な使用について検討しています。がん患者さんにとって、痛みが一番辛いものです。痛みをとることで患者さんの生活の質が向上し、本人やご家族に喜ばれると、やはり嬉しいですね。

患者さんが、今生きていることを肯定的に捉えられ、人生の終焉が迎えられるような支援を考えていきたいと思います。

緩和ケアセンター・がん相談支援センタースタッフBの声

2011年入職。透析センターに配属後、2018年10月から緩和ケアセンター・がん相談支援センターへ。
慢性腎臓病療養指導看護師 ACP相談員

ACP相談員として 当事者の思いを汲み、つなぐ

これまで在籍していた透析センターでは資格を活かし、腎不全の患者さんを最後まで看護していました。その後、看護師長に声を掛けていただき、現在は緩和ケアセンター・がん相談支援センターで、EOL(エンドオブライフ)ケアチームのACP相談員として勤務しています。患者さんやご家族の思いを汲み、その思いをつなぐ意思決定支援を行うことが仕事です。

思いに寄り添ったケアを地域全体で構築したい

患者さんが自身の医療や療養方針について選択できるというのは、これまで経験してきた看護とは真逆で、当初は戸惑いもありました。

そんな中、ACP相談員として支援した患者さんから、「寄り添ってもらえたので納得いく選択ができたよ、ありがとう。もっと多くの人に、こういった選択ができることを広めてほしい」と言われ、必要性を強く実感しました。

現在は、院内外でACPの普及と啓発を行うことで、患者さんやご家族の意向を尊重し、人生の最終段階における意思決定支援を充実させることが使命だと思っています。

いずれは、急性期病院だけでなく、在宅や介護施設での意思決定支援を充実させることができたら。医療従事者だけでなく介護や福祉関係者が、ACP相談員として、それぞれの現場で必要な方の意思決定支援をして、活躍できるようになれたらといいと思います。

最後まで、当事者の思いに寄り添った医療やケアの提供体制を、地域全体で構築できるよう、取り組んでいきたいです。

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