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更新日:2018年12月18日

  整形外科の病気

 

骨粗鬆(しょう)症

骨粗鬆症は、骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなって、骨折をしやすくなる病気です。日本人の推定患者数は1,100万人と言われ、約10人に1人が骨粗鬆症ということになります。骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨近位部骨折)などです。

骨粗鬆症の治療の目標は新たな骨折の予防です。そのためには早期診断と治療の継続が必要です。近年、骨粗鬆症治療薬の種類も増え、より高い治療効果が期待されています。当院では骨密度検査、骨代謝の血液検査を行い骨粗鬆症の診断と治療を行っています。

大腿骨近位部骨折

骨粗鬆症のある高齢者の転倒に伴い起きることが多い骨折です。我が国では年間10数万人が受傷し、高齢化に伴い年々増加しています。骨折を契機に寝たきりになりやすい骨折で、早期の手術とリハビリが必要となります。

骨折の部位により関節の中で骨折する大腿骨頚部骨折(図1a)と関節の外で折れる大腿骨転子部骨折
(図1b)に分けられます。

大腿骨頚部骨折は血流が悪く骨癒合しにくいため、骨折部のずれが小さいときは骨接合を行いますが
(図2)、大きい時は特に高齢者では人工骨頭に置換します(図3)。転子部骨折は骨癒合しやすく、骨接合術が主に選択されます(図4)。当院では受傷早期に手術を行い、地域連携パスを使用し、回復期リハビリ病院と連携しリハビリをすすめています。

橈骨遠位端骨折

手をついて転んだりしたときに、前腕の2本の骨のうちの橈骨(とうこつ)が手首のところ(遠位端)で折れる骨折です。骨粗鬆症があると転んで手をついただけで簡単に骨折してしまいますが、若い人でも高いところから転落したり、交通事故などで起こります。

治療は麻酔をかけ整復し、ギプスなどで固定します。すぐにずれてしまう不安定なものや、関節のずれがもどらない時は手術を行い、プレート固定します(図5)。

脊椎圧迫骨折、椎体骨折

背骨の骨がつぶれるような骨折をするものです。骨粗鬆症で骨が弱くなるとしりもちをつくなどの軽微な外力で骨折します。また若い人でも、高所からの転落や交通事故でおきます。

治療はギプスやコルセットで背骨を固定する保存的治療が原則ですが、神経を圧迫し、下肢のしびれや麻痺が出るときは手術となることもあります。

骨粗鬆症による骨折の場合、椎体内の骨壊死がおきて骨癒合が遷延したり、新たに骨折することがおおく、骨粗鬆症治療も行う必要があります。

脊椎の病気

椎間板ヘルニア

背骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板が主に加齢変化により後方に飛び出すことによって起こります。頸椎に発生するものと腰椎に発生するものがおおく、以前は手術治療が多く行われましたが、自然経過で吸収されることがおおいことがわかり、保存的治療がおもに行われます。

頸椎に発生するものは神経の枝を圧迫するものと脊髄を圧迫するものがあります。脊髄の圧迫が強いと神経の障害が強いことが多く、手術治療が必要になることがあります。

腰椎に発生するものも薬物、ブロック治療などの保存的治療でよくなることが多いですが、下肢麻痺、膀胱障害など強い神経症状があるときや、保存的治療に反応しないときは手術治療が選択されます。手術治療は、当院では顕微鏡や内視鏡を使用した小切開手術で行っています。

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管を狭くなって(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。

特徴的な症状は歩行すると臀部から下肢の痛みとしびれが発生して歩行ができなくなり、休息にてまた歩行が可能になる間歇性跛行です。血流改善剤の内服、ブロックなどの保存的治療が行なわれますが、治療の反応が悪く、生活の制限が強い場合や強い麻痺が出るようなときは手術が選択されます。しかし高齢な方に多いため、心臓などの合併症があると手術できないこともあります。

頚椎症性脊髄症

齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。

手足のしびれがでたり、ボタンのはめ外し、お箸の使用、字を書くことなどが不器用になったり、歩行で脚がもつれるような感じや階段で手すりを持つようになったりという症状が出ます。

症状がまだ軽いうちは薬物治療などの保存的治療をおこないますが、症状が進行して行くようですと手術治療が必要となります。あまり症状が進行すると脊髄の障害が強くなり、手術での回復も悪くなるため、早めに専門医へ受診し手術のタイミングを判断することが必要となります。当院では後方から神経の圧迫を除く椎弓形成術を行っています。

関節リウマチ

関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を引き起こします。自己免疫疾患と考えられています。

治療は薬物療法が基本で抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を基本として、症例によってはステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤が用いられます。

近年、薬物療法も進歩し、早期にしっかりと治療して関節破壊をおさえていくことが重要となっています。

膝関節

前十字靭帯損傷

膝スポーツ外傷の中で最も多い靭帯損傷の一つです。前十字靭帯損傷の自然経過では二次的に半月板損傷や軟骨損傷を生じ、中長期的には変形性膝関節症を罹患してしまうため再建手術が望ましいとされています。(Lohmander LS, et al. Am J Sports Med 2007, Nebelung W, et al. Arthroscopy 2005)
当院での前十字靭帯再建術は断裂した靭帯を可能な限り温存し、ハムストリングを移植するレムナント温存2重束再建を行っております。入院期間は2日~7日です。術後は外来においてリハビリを継続し、術後2か月よりジョギング、術後3か月よりダッシュ、術後6か月よりフィールドでのアスレチックリハビリを開始、スポーツ完全復帰には約9か月間を要します。


半月板損傷

膝スポーツ外傷で最も頻繁に遭遇する外傷の一つです。半月板切除を行った場合、軟骨にかかる圧が上昇し変形性膝関節症を進行させるとの報告がされているため、当院では可能な限りの半月板温存に努めております。半月板断裂部にフィブリンクロットと呼ばれる患者さん自身の血より作成した血餅を移植し、縫合術を行っております。日帰り手術が可能です。半月板縫合の場合はスポーツ復帰まで約6か月を要します。

自家培養軟骨移植術

軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織です。そこでご自身の軟骨を関節鏡にて少量採取し培養軟骨を作成し、再び膝に移植を行う手術を行うことで欠損した軟骨を修復することが可能です。

変形性膝関節症

脛骨高位骨切り術

膝周囲筋力強化、体重コントロール、装具、内服、関節注射などの保存的治療に抵抗する症例に対して手術を検討いたします。年齢や活動レベルによって手術方法を選択します。壮年期で活動レベルの高い方に対しては脛骨高位骨切り術を行っております。 入院期間は約7日で松葉杖歩行にて退院となります。

人工膝関節置換術

当院では簡易ナビゲーションシステムを使用した人工膝関節置換術を行っております。ナビゲーションを使用することにより術中に正確な骨切りを行うことが可能です。術後の痛みを少しでも軽減させるため硬膜外麻酔を併用しています。手術翌日よりリハビリを開始します。術後約3日目より杖歩行訓練を開始、入院期間は約2週間予定です。術後の痛み、リハビリの進行具合によっては入院期間の延長も可能です。

肩関節

反復性肩関節脱臼

外傷にて肩関節脱臼を経験された方が上腕骨を制御する靭帯や関節唇を損傷することで、その後の日常生活で肩が簡単に外れてしまう病気です。関節鏡を用いて前方の関節唇を修復します。(関節鏡下バンカート手術)入院期間は約2~3日間です。術後は3週間三角巾固定を行います。

腱板損傷

外傷や加齢変化により肩を挙げる腱が損傷し、その部位がひっかかるため肩関節に痛みが生じる病気です。いわゆる五十肩と言われている人の中に腱板損傷がみつかるケースも稀ではありません。エコーやMRI検査にて診断を行います。肩関節周囲の筋力強化や可動域訓練等のリハビリに抵抗する症例に対して関節鏡を用いた腱板修復術(アンカーを用いた腱板縫合)を行います。入院期間は約2~5日間です。断裂部位の大きさによって固定方法、期間などの後療法が変わります。

股関節

人工股関節置換術

多くは変形性股関節症(関節の軟骨が変性、消失し痛みを引き起こす病気)に対して行われます。症例に応じて前方アプローチもしくは側方アプローチでの人工股関節置換術を行っております。輸血を必要と判断される症例に対しては手術の約1か月前に自己血(ご自身の血液)の採血を行い手術で使用します。手術翌日よりリハビリを行います。入院期間は約2週間予定。術後の痛み、リハビリの進行具合によっては入院期間の延長も可能です。

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